「食生活アドバイザーは仕事や就職、就活で有利になる?」
「食生活アドバイザーの資格を取ると、給料や年収はいくらになるの?」
「食生活アドバイザーはどんな就職先や職業になれる?」
食生活アドバイザーは民間資格なので、仕事への活かし方や就職で有利になるか不安に思う方は少なくありません。
しかし結論から言うと、食生活アドバイザーの資格は十分に仕事や就活で活かすことができます!
今回はより具体的に食生活アドバイザーの働き方をイメージできるように、就職先や職業別に仕事内容を分かりやすく解説していきます。
栄養士や調理師、看護師など専門資格を持っている方が食生活アドバイザーの資格を取得した場合の働き方もお伝えするので、ぜひ最後まで読んで食生活アドバイザーの活かし方を掴んでいっていただけたらと思います!
食生活アドバイザーは就職や就活、転職で有利になる?
結論からいいますと、自分次第でいくらでも有利にしていくことができます。
なぜなら、食生活アドバイザーの資格を取得すると、「食」と「生活」について幅広い知識があることをアピールすることができるからです。
食に関する職場の採用者になったつもりで考えてみてください。
無資格でやる気だけをアピールする人と、食生活アドバイザーを取得して、仕事で積極的に提案していきたいとアピールする人がいたら後者を採用したくなりますよね。
このように、食生活アドバイザーを取得することは自分の能力を示す証となってくれます。
食生活アドバイザーの2級と3級では仕事への活かし方は異なる?
「仕事への活かし方」という観点でいえばほぼ同じかもしれません。
まず、3級では「消費者」の立場から食生活を見直す事を目的としています。
つまり、仕事でいうとお客様(=消費者)目線にたって、アドバイスや提案をしていくということです。
一方、2級では「食を提供する立場」から食ビジネスを考える力を身につけることを目的としています。
ようするに、仕事でいうと会社・従業員(=食を提供する立場)目線にたって、アドバイスや提案をしていくということです。
ビジネスにおいて「仕事へ活かす」と考えた時、お客様目線も会社・従業員目線もどちらも必要になってきますよね。
よって「仕事への活かし方」という観点では同じであるといえます。
しかし、2級のほうがビジネス視点でより実務的な知識が要求されるため、3級よりも試験内容は難しくなっています。
給与面のアップや就職で自分の能力をしっかりアピールしたいと考えるのであれば、2級を目指した方がメリットは大きいと言えますね。
食生活アドバイザーの就職先や職業別の仕事内容
食生活アドバイザーの資格を就職や転職などで活かせることは分かりました。
しかし実際に様々な仕事で具体的にどのように活かせるかイメージがつきづらいという方は少なくありません。
そこで、ここでは就職先や職業別に食生活アドバイザーがどんな仕事ができるのかをご紹介していきます。
以下のように食生活アドバイザーは様々な仕事で応用が利きます。
- 食品販売店や飲食店でのアドバイス
- 医療福祉、教育現場での食育の普及
- スポーツ選手へのコンディショニングのアドバイス
- 食品メーカーでの商品開発やマーケティング
- セミナー講師として食育の普及活動
- インスタで食生活の専門家として情報発信 など
それぞれの仕事内容について、以下で詳しくお伝えしていきますね!
食品販売店や飲食店でアドバイス
食生活アドバイザーの知識を得ることで、食品販売店や飲食店で消費者側・会社側といった両方の視点で仕事を行うことができます。
具体的な例をあげると、スーパーやデパートの食品販売店の場合、
- お客様一人ひとりにあったおすすめの商品を提案する
- 健康によい食材を提案する
- 美味しく食べてもらう調理方法を提案する
飲食店の場合、
- 衛生管理を徹底して、安心・安全に料理を提供する
- 安全に食材を調達する
- ヘルシーで美味しいメニューやレシピを発案できる
など、多くの場面でアドバイスすることができます。
現代は健康に関心を持っている方が多いです。
そのため、ただ食品を販売・提供するだけでなく、「アドバイス」という付加価値をつけることは今後ますます求められていくのではないでしょうか。
医療福祉、教育現場で食育の普及
食生活アドバイザーの知識は、医療福祉・教育現場で食育の普及に役立てることもできます。
医療・福祉・介護の施設の場合、
- 適切なエネルギー量、必要な栄養素などを、給食の提供を通して伝える
- 疾病と栄養との関わりを説明する
- 身体状況・口腔機能などを考慮した食事を提案できる
このように、医療・介護・福祉の現場では、お年寄りや障がいがある方、何らかの疾病を抱えていらっしゃる方一人ひとりに寄り添った提案が求められています。
一人ひとりに合った提案をしていくことで、「生きている喜び」や「生活の質の向上」につなげていくことができるでしょう。
また、 教育現場では、
- 食育の授業テーマを発案する
- 食文化を伝える
- 行事食を提案する
このように、教育者として食育に関わることができます。
現在「食育」は国をあげて行っている施策であるため、食生活アドバイザーの知識や提案力は様々な現場で活かすことができますね。
スポーツ選手へコンディショニングのアドバイス
スポーツ選手のコンディショニング管理には、栄養・運動・休養など食生活全般についてのアドバイスが必要不可欠です。
- 必要な摂取量を伝える
- 適切な運動量・睡眠時間を伝える
- ケガや疲労が起こりにくくなるよう、必要な栄養素・具体的なメニューを提案する
このように、スポーツ選手のサポートに活かすことができます。
食品メーカーでの商品開発やマーケティング
食生活アドバイザーでは食マーケット(食流通)についても学ぶため、食品メーカーで以下のことに役立てることができます。
- 商品開発
- 衛生管理
- 販売戦略の立案
- 販売促進方法の提案
このように、商品開発から提供方法まで提案していくことができます。
セミナー講師として食育の普及活動
食生活アドバイザーはセミナーに携わるということもできます。
そもそもセミナーとは、指導者を中心にして参加者が特定のテーマについて意見交換をする場のことです。
食生活アドバイザーはこの指導者になって、参加者の意見を引き出して問題解決をしていくことができます。
具体的なセミナー内容としては
- より良い食生活をおくるために、実践していることをあげていく
- 食と美容・健康について気をつけるべきことを話合う
などがあげられます。
グループで問題解決を目指すことによって、個人では気付かなかったことに関心を向けてもらえるよう促していけますね。
インスタで食生活の専門家として情報発信
近年ではネットでの情報発信が活発に行われる時代になりました。
その中でもInstagram(以下インスタ)は写真や動画で投稿するソーシャルネットワーキングサービス(SNS)であるため、食生活アドバイザーの情報発信にはぴったりのツールです。
どのように情報発信をしていくのか具体例をあげていくと、
- 動画で作ってよかった&作りやすかったメニューを、手順を解説しながらシェアする
- 写真で毎日のメニューを更新し、献立を組む時のアイディアと絡めて発信する
- 健康のために摂取している食品、もしくは運動を写真・動画で発信する
このようなことは食生活アドバイザーでなくてもできることではありますが、資格を取得することで権威性・信頼度が増します。
投稿された写真や動画を見て、「取り入れてみようかな?」と思うかもしれませんね。
このようにインスタは視覚的に情報をさっとキャッチできるツールであるため、忙しい現代人にはとても有益な情報になるのではないでしょうか。
個人での働き方もたくさん
食生活アドバイザーを取得してフリーランスとして働かれている方も多くいらっしゃいます。
例えば
- 自宅のキッチンを使って料理教室を開く
- カルチャースクールの講師
- フリーライターとして食に関する情報やコラムを執筆する
このように、自宅からネットまで様々な場所で働かれている方がいます。
食生活アドバイザーを取得することで、幅広いフィールドで仕事につなげていくことができます。
食生活アドバイザーと他資格を絡めた仕事内容
食生活アドバイザーは他の資格と関連させることで、より専門性の高い仕事をすることも可能です。
ここでは以下の専門資格をお持ちの方が食生活アドバイザーの資格を取ることで、どのような働き方ができるのか解説していきます。
- 管理栄養士・栄養士
- 調理師
- 看護師
- 薬剤師
- 保健師
- 保育士
食生活アドバイザー×管理栄養士・栄養士
食生活アドバイザーと管理栄養士・栄養士どちらの資格も取得した場合、より食に関して精通することができます。
具体例を挙げると、管理栄養士・栄養士の仕事の一つに小中学校で食育の授業をすることがあります。
ちなみに、私は管理栄養士の免許を取得していますが、過去に管理栄養士養成施設で学習すること4年。
在学中特に感じたことは、管理栄養士・栄養士は「臨床的な知識」を中心にカリキュラムが組まれているということです。
もちろん「食育」についても学びましたが、「臨床的な知識」と比べると相対的に単位数も少ないですし、「食育とは?」という概要的なことしか学ばなかったように思います。
例えば、食育の一つに「行事食」があります。
行事食は、おせち・雑煮・七草粥・おしるこ・恵方巻といった様々な種類がありますが、
- なぜこのような行事食が始まったのか
- こららの行事食はいつ提供するものなのか
このような具体的な授業・もしくはテスト問題は、振り返ってみると無かったように思います。
もしかすると、「常識の範囲」と考えられてカリキュラムに入っていなかったのかもしれません。
一方、食生活アドバイザーは、臨床的な知識に関していうと管理栄養士と比べて浅い学習内容になっているかもしれませんが、食育については具体的に学べます。
このように、2つの資格を取得することで、食の知識を補完することができます。
そのため食育の授業では、具体的な例を交えながら展開していけるでしょう。
食生活アドバイザーと管理栄養士の資格の違いや双方の資格の詳しい活かし方はこちらの記事で解説しているので、興味のある方はぜひご覧ください。
食生活アドバイザーと管理栄養士の資格ってどんな違いがあるのでしょうか?両方とも食に関する資格ですが、様々な違いがあります。今回は認定機関や階級制度、学習内容、学習方法、難易度などの違いなどに焦点を当てて分かりやすく比較していきます!
食生活アドバイザー×調理師
調理師は名前の通り「調理」をメインに仕事をしていますが、食生活アドバイザーの知識を身につけると、メニューやレシピの提案をして、お店に貢献することもできます。
さらに、食生活アドバイザーでは食材の流通、店舗の運営・管理に関しても学ぶことができます。
これらの知識を使って、他店とは違うフードビジネス戦略を提案しても面白いかもしれませんね。
ただ調理をするだけでなく、食材の調達から経営までトータルでコーディネートできれば、お店にとって貴重な人材になれるでしょう。
食生活アドバイザー×看護師
様々な患者・高齢者・障がい者と普段から身近で接している看護師が食生活の知識を身につけることは、医療現場にとってとても助かります。
なぜなら、医療現場では栄養サポートチーム(NST)とう組織があり、多職種が集まって栄養改善を目指しているからです。
実際、NSTのために栄養学を学んでいる看護師は多いです。
NSTでは対象者一人ひとりに対してカンファレンスを行っていきますが、普段から最も対象者の近くにいる看護師は身心の状態など多くの情報を把握しています。
看護師が食生活の知識を得ることで、対象者の情報をふまえた栄養管理の早期対応もできますし、何より生活の質の向上につながりますよね。
看護師が食生活アドバイザーを取得することで、よりサービスの高い看護ができるようになるでしょう。
食生活アドバイザー×薬剤師
薬剤師もNSTの一員として活躍しています。
食べることは、主に「経口摂取 (普通に口から食事をとること)」をイメージされる方が多いかもしれませんが、人によっては栄養薬剤などで栄養管理をしていることがあります。
このように、薬剤師は多職種と協力して一人ひとりにあった摂取方法を提案していきます。
食事にしても薬剤にしても体内に入れるのは同じ。
だからこそ、薬剤だけでなく栄養についての知識も大切になってきます。
食生活アドバイザーで栄養の知識を身につけることで、より適切な栄養管理を提案していくことができるでしょう。
食生活アドバイザー×保健師
保健師は、保健所や保健センターを通じて住民の健康づくりに携わっています。
その業務は多岐にわたりますが、一番イメージしやすいのは乳児や妊婦、高齢者といった健康診断ではないでしょうか。
健康診断を行う上で、一人ひとりの食生活に注目することはとても大切なことです。
- 毎日3食摂れているか
- 適度な運動しているか
- 睡眠は何時間とっているか
これらを加味するだけでも、アドバイスの内容は変わってきます。
健康診断でより具体的な提案をしようと思ったら、このような食生活の知識がとても大切になってきます。
また、健康診断において栄養指導は管理栄養士が主に担当しますが、最初のカウンセリングは保健師がメインで行うことが多いと思います。
保健師が管理栄養士にスムーズに橋渡しできるようにするためにも、食生活の知識は身につけておいて損はないでしょう。
食生活アドバイザー×保育士
食育に取り組む保育園は多く、保育士もその担い手として期待されています。
ここで私事にになってしまうのですが、私は過去に保育園の管理栄養士として勤務していました。
当然ながら食育にも携わり、様々なイベントを企画しましたが、そこで壁にぶち当たったことがあります。
それは、「その企画は子どもたちには難しい」とことごとく却下されてしまったことです。
当時私は大学を卒業したばかりで、当然子どもを育てたこともありませんでした。
「何歳でどのくらいのレベルなら理解・もしくは取り組める」のかが全く分からなかったんですよね。
確かその時は3歳児を対象に、お箸を使うゲームを企画したと思います。
しかし、月齢にもよりますが、3歳児ってスプーンやフォークを使ってもまだ上手に食べれない子もいるんですよね。
もし保育士と食生活アドバイザー両方を取得している先生がいたら、当時の私はすごく助かったと思います。
子どもたちの成長を一番近くで見ているのは保育士ですし、そこで食生活の知識があれば、子たちの成長に合わせた食育を提案していくことができるでしょう。
食生活アドバイザーの仕事の年収や給料
食生活アドバイザーの年収はどこで・どのように働くかによっても変わりますが、だいたい200万円~300万円程といわれています。
具体的な月給(全て正社員)は以下の通りです。
- 保育園や幼稚園で給食の調理員として働く場合:月給19~21万円
- 大企業の品質管理アドバイザーとして働く場合:月給20~24万円
- お弁当会社の調理責任者として働く場合:月給18~20万
- エステティックサロンの経営、化粧品・健康食品・美容機器の販売員として働く場合:月給18~25万
上記はあくまで目安です。
職種によって収入は異なりますが、給食施設からエステティックサロンなど幅広い場所で活躍することができます。
また前述しましたが、料理教室の経営・カルチャースクールの講師・フリーライターといったフリーランスとして働く方もいます。
個人の活躍にかなり左右されるため具体的に月収いくらか数字として表すことはできませんが、有名になって個人で活躍すればするほど年収も右肩上がりになっていきます。
食生活アドバイザーの試験概要
食生活アドバイザーの合格率は実施回によっても異なりますが、3級で65%、2級で40%となっています。
しっかりと公式のテキストや通信講座で勉強すれば合格は十分に可能です。
しかし、2級は3級と比べて応用的な内容になってくるため、独学での合格は難しいかもしれません。
2級はきちんと対策をして、深く理解していく必要があります。
ちなみにユーキャンの通信講座によると、2級と3級の同時合格を目指す場合は約4ヶ月、どちらか単独の合格を目指す場合は約2ヶ月の勉強期間を設けています。
どちらも1日30分〜1時間で学習を進めていけれるようになっているため、効率よく勉強することができます。
また、食生活アドバイザーの試験は年2回で、
- 7月の第2日曜日
- 11月の第4日曜日
全国各地の試験会場にて受験します。
受験料は3級 5,000円、2級 7,500円、3級・2級併願 12,500円となっています。
食生活アドバイザーの試験概要はこちらの記事でまとめているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
食生活アドバイザーの試験日程や会場、試験時間、出題範囲や問題、内容など試験に関する全てのことを解説しています。2級と3級の試験の違いや合格のコツもお伝えしているので、食生活アドバイザーの資格取得を考えている方はぜひご覧ください。
食生活アドバイザーの独学や勉強方法、おすすめテキスト
食生活アドバイザーは、独学でも十分に合格を目指すことができるといわれています。
とくに3級は食生活に関する基礎知識が出題されているため、参考書を使って重要語句を丁寧に暗記していけば、十分に合格することができます。
しかし、2級になると3級で覚えた重要語句も「私たちの生活にどのように関わってくるか」という応用的な問題に変わっていきます。
また、選択肢も3級では5択だったのが2級では6択になりますし、記述問題も加わってきます。
このように、2級になると難易度がぐっと上がります。
2級の合格を目指すには、一つひとつの問題を丁寧に理解していく必要があります。
そのためには、疑問点を解決できる教材を選んで、効率良く学習を進めていくことが大切になっていくでしょう。
食生活アドバイザー試験対策におすすめのテキストや独学での勉強法などはこれらの記事でまとめているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
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